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ジョブスタディ

先週1週間、盛岡で研修をしてきました。

盛岡市の雇用促進を目指し、主に若年者を対象とした再就職支援事業の一環として、ビジネス実践研修を担当しました。

ビジネス実践研修とは、ビジネスの基礎知識を確認しながら実際の業務ではどのように活用するのかを自分たちで考えていく、シミュレーション型の研修です。

例えば、「会社で働く」という状況はなんとなく認識できていますが、具体的に営業が会社の中でどのような役割を果たすのか、企画とはどんなことなのか、これは実際に働いてみないと中々理解できないことが多いです。

そこで研修を通してシミュレーション(疑似体験)することで、イメージギャップが防止でき、事前に各自の課題や改善策を把握することで、スキルアップ計画が立てやすくなります。

また、これまで経験する機会がなかった事で、自分自身も気がつかないスキル(能力)を発見する方もいます。

今回の研修でも個人差はあるにしろ、受講者の皆さんは多かれ少なかれ自分の意外なスキルを発見していたようです。

その中で、私や研修運営スタッフの方々も目を見張るような変化を感じさせて、自らも意外なスキル発見をしたのがAさんとBさんでした。

お二人とも20代前半の方で、これまで軽作業のアルバイトはしていたようですが、企業でお勤めした経験は無かったそうです。

初日にお会いしたときの、お二人の印象は「おとなしい」でした。

グループワークでも、積極的に発言することは無く、促されて話をしているようでした。

私と挨拶をするときも目や顔を見ることなく下向き加減で、話す声も小さく会話をするのが苦手な印象を受けました。


私は毎回研修時には、研修日報を作成させ、その日の取り組み内容や自己課題の改善方法を具体的に記入し、翌日に活用するワークも取り入れています。

ある程度、社会経験がある方は取り組み内容や改善策について具体的な記載が出来るのですが、Aさん、Bさんは具体的な記載が少なく、内容も非常に薄いものでした。

ところが、研修が進み3日目くらいから、Aさん、Bさんに変化が出てきました。

大きな変化は自ら積極的に意見を出し、良く笑うようになりました。

また研修日報も日を追う毎に取り組み内容や課題点についての対応策が具体性を増し、内容も論理的になってきました。

Aさんは仮想の会社の社長になり、会社の代表として事業内容の取りまとめをしたり、課題点の提示などを行ない、本当にチームのリーダー的な存在になっていました。

研修の最終日は企業(グループ)ごとに、事業内容や商品提案のプレゼンテーションを行います。

グループ全員が何かしらの商品内容と質疑応答をするのですが、Aさんの説明力や質疑応答力は誰よりもわかり易く説得力がありました。

プレゼンテーション演習の感想を受講者に発表してもらったときも、ある方が「Aさんのような説明のしかたが解り易かった。Aさんのような発表の仕方をしようと思いました。」と言ってもらえるほどでした。

私自身も研修を通してAさんを見ていると、もともとのスキルとして非常に頭の回転が速く、状況判断能力が高いのだと感じました。

例えばグループワークで意見が煮詰まったり、話が頓挫したとき、始めこそ周囲からに詰まっている原因を指摘されるようなことがありましたが、徐々にAさん自ら課題点の指摘や改善方法の提案をしていくようになっていました。

察するに、これまでそのスキルを活用するチャンスが無かったことで、自分の能力に気がついていなかったようです。

Aさんは最終日の研修日報に

「頭の回転が良いと言われた事は、素直に嬉しいと感じた。少しだけ、自分に自信が持てた」 という感想を記入してくれていました。

研修を通して、自分の中の意外なスキルの発見と様々な試行錯誤がAさんの自信に繋がったようです。


Bさんは、また違った変化がありました。

私は、研修の状況によっては受講者の方々と昼食を共にしながら、様々な話をすることがあります。

今回昼食をしながら受講者の方々と話をする機会がありましたので、初日にBさんと食事をしながら話を伺いました。

「これまでアルバイトの経験しかないので、企業で働くということは全くイメージが出来ないです。

 仕事に関しても何がしたいとか、どんな風に働きたいなど考えたことは無く、将来についても漠然としています。」


この会話からもBさんの消極的さが感じられました。

ところが、仮想の会社を設立し自分たちの商品、サービスについて他の企業(グループ)に説明に行くというワークのとき、色々と事前準備をしていたはずでしたが、Bさんは殆どと言って良いほど、発言をすることが出来ませんでした。

特に、相手側から質問された内容について上手く答えられませんでした。

研修終了時の感想でBさんは「上手く説明できなかったことが本当にくやしいと思った」と話していました。

少し、気落ちをしているようにも見受けられたので、その日は特にお話はせず次の日のお昼休みに、教室で一緒にご飯を食べながら前の日のことについて話を聞いて見ました。

Bさん自身、仕事に関わる事柄で自分自身が「くやしい」と感じる出来事があったことは、本当に驚きだったそうです。

それと同時に、自分のふがいなさに落ち込んだそうです。

「でも、落ち込んでいても始まらないですよね。
 
 終わったことを考えていても時間がもったいないので、今日出来ることを
 
 頑張ろうって思い直して今日は頑張っています。」 と、話してくれました。

この時の、Bさんの顔は本当に凛々しかったです。

Bさんも声が小さい方だったのですが、徐々に大きな声で発言が出来るようになってきました。

これもBさんの成長の証だと思いました。

研修が終わるときには、お二人ともとても、初日に「おとなしい」という印象を受けた人と同一人物とは思えないほど、明るく何かを見据え凛々しい表情に変わっていました。

特に、私の顔を見て「ありがとうございました」と挨拶してくださった時には、本当にお二人の成長を感じました。

お二人を見て、改めて「自らの経験が自らの成長の糧になる」と思いました。

皆さんが今上手くできないことの多くは、経験不足からきていることが大きいと思います。

また、初めから100%の成功を目指すあまり、失敗を恐れて経験することをためらっていることも要因かもしれません。

しかし、誰でも始めは「初心者」で、その道の「職人」ではありません。

どんな「職人」でも「初心者時代」は、あったはずです。

失敗は職人になるまでの通過点「プロセス」に過ぎません。

いくつもの失敗と改善、挑戦を積み重ね、経験値が増えてこそ「職人」になれると思います。

あなたにも、眠っているスキルがあると思います。

自分のスキルを開花させるにも、まずは経験を増やしてみましょう。

経験の仕方、取り組みがわからないときはいつでもご相談下さい。

全力で応援します。 

info@jobstudy.jp



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それでは、また来週…
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権堂 千栄実

Author:権堂 千栄実
権堂 千栄実

株式会社Campanula 代表取締役

キャリア・カウンセーであり、企業、学校機関、官公庁での研修講師

研修やカウンセリングを通して、働く方々や学生の悩みを解消できるようにご支援しております。